役に立たない海外生活の共有

世界のどこかでひっそりと暮らしています。

落ちない汚れはないんだぜ

自分で掃除をした箇所を見てうっとりする日々を過ごしている。
汚れのビフォーアフターは、ずっと暮らしている人間よりも実際に時間をかけて掃除をした人間に一番焼き付いているし、磨いた箇所との会話はかけがえのない思い出。

 

片付け・掃除が苦手な友人に、部屋を散らかさないための心得などを伝えた。
・掃除しやすい状態、というのをイメージする
・物量は収納に合わせる(入らないものは処分)
・同じ用途のものが複数ある場合は一つにする
・いつか使う、は使わない
・掃除道具は使い切る勢いで惜しみなく使う
・まずは一カ所、真剣にじっくり掃除してみて意識を変える

途中から完全に飽きている返事だった。
まだまだ人を洗脳するほどの説得力がないらしい。頑張らなければ。

 

バキバキに掃除への意識が仕上がった状態が続いているので、実家のキッチンの換気扇に挑むことにした。

ぎゃあああああ

何年前に掃除したか覚えてないらしい。
ここ数カ月で見てきた汚れの中で断トツ。心が折れそう。
以前掃除した義弟家の換気扇をラスボスと言っていたが、あんなの雑魚。
ハードモードのラスボスは始める前から怯んでしまうレベルだった。

義弟家とほぼ同じ形の換気扇だが、こちらの方が古いのでフィルターの素材が違う。
よく見たらなんか無理矢理表裏逆でつけてあるし、完全に目は詰まった状態だし、汚れの年季が凄すぎる。

 

掃除道具の中から、重曹キューブというスポンジを見つけたのでそれで軽くこすってみるがびくともしない。
残念ながらキッチンマジックリンも見つからず、粉の重曹と食器用洗剤で何とかしないといけない。

色々考えた結果、やはり頼るべきは自分の手。
しばらく重曹をふりかけ放置し、少し柔らかくなったところを力ずくで削るしかない。ただ鋭利すぎるものだとフィルター自体を傷める可能性があるし、ブラシ類は全く太刀打ちできない。
何か削るものはないかと探していると使い終わったかまぼこ板が目に入った。
木なので傷つかないし削る面も広いし良いのでは、とやってみると一番の手ごたえ。
するりとまではいかないが、確実に本来のフィルターの輝きが見えてきた。

半分終了

この輝き!
重曹+お湯+かまぼこ板の成果。
この時点で1時間経過しているが、なんとなくコツはつかんできたので、あとは完全に綺麗になるまでかまぼこ板の全カドで削っていくだけ。
「落ちない汚れはない…」と自分に言い聞かせながら汗だくで削り続けた。

はじめまして~

元々はこんなにピカピカだったのに、今まで苦しかったでしょう。
すっかり換気扇のフィルターと会話をする体質になってしまった。そのくらい達成感がすごい。

約2時間、油汚れとも言えない何かと格闘して燃え尽きてしまった。
天板部分の汚れは後日改めてすることにして、ピカピカの綺麗なお風呂に入った。

 

まだ全部終わってないとはいえ、この爽快感は癖になる。
掃除という作業はドーパミンやセロトニンを分泌する効果があるらしい。
そのせいでこの掃除中毒状態になっているのかもしれない。
掃除、させてくれーーー。