役に立たない海外生活の共有

世界のどこかでひっそりと暮らしています。

命がけの一票

朝洗濯をしていたら、大家さんからまたもや「ドミンゴのために開けてくれませんか」とメッセージが来た。
ドミンゴオープナーとして信頼されている以上、暑い中待たせてはいけない!と思い、3階から走って降りて迎え入れた。
ドミンゴさんには息子がいるらしく、先日夫が「門を開けたらミニドミンゴがいた」と言っていた。中学生くらいの少年で、まるでドミンゴさんそのものだったらしい。
自分はまだミニドミンゴに出会えていないので、会える日を楽しみにしている。

 

洗濯に戻りながら大家さんに「開けたよー」と返事をしようとしていたら追加でメッセージが来ていた。
「投票に来たけど、まだ列に並んでいます」

今日は選挙の日。朝から大家さん一家(なぜかおじいちゃんおばあちゃんも来ていた)は総出で投票に行っているらしい。

 

TVをつけると、投票に行きましょう!というしきりに宣伝している。
メキシコの若者も日本と同じように「どうせ変わんないよ」と言って行かない人が多いらしい。
まあ選挙の度に何百人も殺されているところで自分が投票したとて…と思うのもわかる。
まずは、殺すのをやめましょう!と言う方が先決な気がする。

日本以外の選挙速報はどんなもんかとずっとニュースを見ていたが、何やら様子がおかしい。
各地の投票所の映像が出てくるのだけど、どこもかしこもすごい行列だ。時計を指さしながら怒っている人もいる。
どうやら期日前投票などの仕組みはなく、よーいドン!で1日に集中するため、投票所でかなりの時間並ばないといけないらしく、投票システムの改善についての報道がずっとなされている。
他にも、なぜか燃えている投票所、暴動を起こしている様子などメキシコ国内はとても荒れていた。選挙は投票するのも命がけらしい。

 

ちなみに大統領選挙の前日・当日はアルコール販売と提供が禁止になるらしい。
都会のスーパーでもお酒コーナーは立ち入り禁止になっており、テキーラ屋は閉まっていた。諦めて営業していないレストランも多かった。
理由は酔っぱらって投票しないように、ということだと思われるが、本当に他に正すべきところがたくさんあると思う。

 

夜、コイヌが一生懸命吠えていた。いまだに人に対して吠えることはなく、練習しているのかなと思ったがいつもと様子が違う。
外に出てみるととても興奮していて、一匹で門の外に向かって吠えている。
他の犬はおとなしいので、誰か来たわけじゃないよねと思いながら門を開けると、

野犬A,B,C

野犬3匹が門のすぐ外で寝ていた。
最初全員死んでいるのかと思ってギャッと声を出したら、野犬A(白い犬)がこちらを一瞥した。土の上が冷たいらしくスヤスヤと寝ていた。

コイヌに「これは到底太刀打ちできる相手じゃないよ」と言い、そっと門を閉めた。

野犬も選挙の日は町に人が多くてうんざりして避難してきたのかもしれない。

番犬A,B,C

選挙も終わったし、治安が良くなりますように。