しばらくアパートを留守にしている間に、お向かいさんがいなくなっていた。
若い夫婦と娘さん。ちょっとこの娘さんがぐいぐい系で、嫌がるコイヌを無理矢理抱きかかえてずっとうろうろしたり、カートに乗せたりする乱暴者だったのであんまり好きじゃない。
我が家の工事が終わったあと、お向かいさんの部屋の工事に取り掛かったらしく、思いっきり床をはがして掘り返していた。
お向かいさんもうちと同じように違う部屋に借りぐらしをしているのかと思ったが、今のところ家族全員見かけていない。
犬にも嫌われていたし、違うところに引っ越してしまったのかも。
玄関の前でわんちゃん達と遊んでいたら、大家さんの親戚のおばさんが「チョコケーキ食べる?」と聞いてきた。
「4月と5月に、お姉さんと娘と姪っ子とお父さんと、たくさん誕生日があるの」と言っていた、と思う。少しずつスペイン語がわかってきて、なーんとなく雰囲気で理解できるようになっている。
もらえるもんはもらっておくタイプなので一切れいただくことにした。
毎週のようにケーキを持って親戚が集まっていた意味がやっとわかった。とんでもないパリピ家族なのではとの疑いもあったが、ちゃんと誕生日をみんなで盛大にお祝いする素敵な家庭だった。
大家さん家族からはいつも色々もらっているので、いつかお返しをしたいと思っているが何が喜ばれるのかさっぱりわからない。
次日本に帰った時にヨックモックとか買ってきたらいいの?大家さんシガール好き??
ちょうどキッチンに置いているハンドソープがなくなりそうだったので大きなスーパーへ。
バカンス先のおうちにあったグレープフルーツの香りのハンドソープがとてもいい香りだったので真似することにした。
いい香りは暮らしの満足度に大きく関わる、と久々に戻った家の洗面所の謎の匂いを嗅いで思った。くさい。
引っ越しが終わったら洗面所にディフューザーを置こうと決めている。
お会計をしようとレジに向かっていると、バカンス先のおうちの旦那さんが目の前を歩いていた。奥さんもいるよーと電話で呼んでくれた。
2匹の犬たちはその後元気かと聞くと、自分たちが使っていた寝室の前に行って探している素振りをしていた、とのこと。どういう気持ちで探しているかはわからないが、ポジティブな方で捉えておくことにする。
少しずつ、日常に戻っていく。メキシコの暦の上では特に何もないけど、こちらのゴールデンウィークも終わりそう。