朝から大家さん夫婦が揃って何か作業をしているらしく外が騒がしい。
よく見ると旦那さんはのん気に口笛を吹きながらうろうろしていて、頑張っているのは大家さんだけだった。
この二人が夫婦なのも少しミスマッチで面白い。完全に主導権は大家さんにあるのが見てとれる。
外に出てみると、アパートの2階の吹き抜け部分に青いビニールシートが渡してある。
雨が降りこまないように屋根の代わりにしている感じ。
もしかしたら死者の日にこの下で何かするのかもしれない。
「なんしようとかいなねー」と博多弁で話しかけられたわんちゃんも、何もわかってなさそうだった。
実は数日間、夫が仕事の都合で家を空けている。なんだかんだ初めてのひとりお留守番。
数日前に突然言われて、不安よりも「一人で何食べよう!!?」という楽しみが上回った。
そう、ついに来ました、スパイスカレーチャンス。
しかも一人なので辛さも気にせず作ることができる。
夫は激辛料理を食べることはできるけど、胃腸が追いついていないので必ずお腹を壊す。なんでメキシコにいるんだろうか。
まずは豚バラブロックが少しあるのでポークカレーを作ることにした。
以前赤缶を使って作ったのが美味しかったので、それをスパイスのみで作ってみる。
まずはフライパンで豚バラに焼き目をつけて、水を加えて1時間くらい煮込む。
その間ににんにく、しょうがをすりおろし、タマネギをみじん切り。
別のフライパンに油をひき、スパイスの香りを油に移す。
この国の唐辛子の辛さがまだつかみ切れていないのでとりあえず1本。
早速いい香りがする。もうこれカレーでは??
タマネギをじっくり炒め、にんにくしょうがも追加。
飴色のでろでろになったらスパイスを入れて軽く混ぜ、トマトソースを入れて水分を飛ばす。
無糖ヨーグルトも少し入れた。無糖ヨーグルトは毎朝食べているので、わざわざ買う必要がなくて良い。
煮詰めていると、なんかいい感じの油が浮いてきた。
豚肉をゆで汁ごと加えて弱火で煮込む。見た目は完璧。
仕上げに都会で買ってきたガラムマサラを少しかけて完成。
個人的にはビジュアルは完璧。理想的なポークカレー。
肝心の味は、しょうががやや強めだがスパイスの香りもしっかりあってめちゃくちゃ美味しい。お肉もほろほろで、食べ終わるのが悲しくなった。
辛さはもっと強くても良かったかも。メキシコの辛さ未知数のチリペッパーを少しずつ増やしていこうと思う。
無限にある唐辛子、タコスに必須のタマネギとトマト、激安のにんにくとしょうが。
これはカレーを作るべき国にいる。
負けられない戦いが、メキシコにある。