役に立たない海外生活の共有

世界のどこかでひっそりと暮らしています。

キャンドルと運

悲しいことに停電は数時間では終わらなかった。

夕方くらいには復旧するだろうというのは甘い考えだった。

 

とりあえず夜まで電気が復旧しないようだったら飢え死にしてしまうので、屋台のタコスを買いに行った。
週に一回は買いに行っているからか顔を覚えられているようで、おまけで2個多く渡された。
よく食べそうな顧客、という情報も合わせて認識いただいているらしい。さすが見る目がある、正解です!

 

タコスが出来上がるのを待っている間、真上の電線に止まった鳩を見て「今フンされたら終わるなー」と思いながら写真を撮った。

シラコバトの裏側

最近の日の入りは19時ちょっと前。
我が家はありがたいことに真西に窓があるので、ギリギリまで部屋は明るい。
陽が落ちる前に食べてしまわないと闇タコスになってしまうので、急いで食べなくては。

 

お昼もお菓子だけだったので、ありったけのトッピングを乗せた。
チーズ、ノパル(サボテン)、米。高カロリーすぎてうっとりする。
冷蔵庫のビールは冷えてないのでコンビニで缶ビールを買って帰った

トッピングもりもり

大家さんからのWhatsAppのメッセージによると、停電しているのはこのアパートだけらしい。
アパートにつながっている送電線のトラブルとのことで、なんとなく本日中の復旧は難しそうな気配。
そして最後に「もう私のスマホの充電なくなるから何かあったらドアをノックして」と言い捨ててあった。

 

こんなこともあろうかと大容量のモバイルバッテリーを持ってきているのでスマホの充電に困ることはないが、wifiがないので思いっきりネットが使えない。
今はメキシコでSIMカードを買って、15日間で1.3GBのプランをチャージしながら使っている。あまり外に出ることもないので普段はちょうど使い切るくらい。
ちょうどチャージするタイミングだったので、チャージがてら夜に備えてキャンドルを買おうとコンビニに向かった。

 

停電に備えてなのかどうかはわからないが、スーパーでもコンビニでもキャンドルは結構どこでも売っている。
シンプルなキャンドルが28ペソ(約250円)。あまり夜に停電することはないが、買っておいて損はないだろう。

アパートに入る手前でだいぶ薄暗くなってきたなあと空を見ると、ちょうど鳥の大群が飛び立っていった。

そしてその瞬間、『ウェチョッ』という音とともに眉間に嫌な感覚が。

む、くさい。

 

人生で初めて鳥のフンを浴びた。しかも顔に。
かけていた眼鏡をとると、レンズにもしっかりかかっていた。

 

ギャアギャア言いながら部屋へかけこみ、真っ暗な洗面所で顔を洗った。

庭で一連の騒ぎを見ていた大家さんが、心配してどうしたのと話しかけてきていた。
夫が「奥さんの顔に鳥のフンがかかった」と笑いながら答えると、「運がついたわね」と言っていたらしい。
メキシコでも鳥のフンのことは運という意味なのか、と勉強になった。

 

タイトルをキャンドル・フンにしようかと思ったけど、とても悲しい気持ちになったのでやめておきました。

キャンドルとうっすらおまけタコス