「パストール」とはタコスの種類。
あまりにも響きが歴史上の人物感あって、どうしても「我が名は」をつけたくなってしまう。
今のところ一番好きなタコスはパストール。
たくさんの香辛料でがっつり味付けしてある豚肉をぐるぐる巻きにして炭火で焼いて、ケバブみたいに削ったスライスの肉と刻んだたまねぎとパクチーをのせて、パイナップルを添えたもの。
日本では、本格メキシコ料理屋さんが近くにあったのでそこでも良くパストールを食べていた。結構日本国内でみても再現率が高い本格的な味だったと思う。
パストール(pastor)はスペイン語で「羊飼い」という意味らしいので、「我が名はパストール」と実際に言っている羊飼いも世界のどこかにいるかもしれない。どうかな。
これが一番お気に入りの店のパストール。
いつも自分の分はたまねぎ抜きで作ってもらって、セルフで追いパクチー。
思ったよりも脂っこい感じはなく、いつも5個はペロリと食べてしまう。
結局、この町で最初に食べたタコスが美味しいタコスとして刷り込まれてしまっている。
他にもいろんなお店のタコスを食べてはみるけど、やっぱりこのパストール屋さんが一番だなあと言ってしまう。
そしてメキシコに来るまで全く意識してなかったのだけど、タコスにはレモンが必須なのだ。
なんかもう麻薬的なもんでも入ってんじゃないの、って本気で疑うくらいレモンには中毒性がある。
そしてレモンって言ってしまってるけどこれは多分ライムだ。
この国ではこれがレモンのようなのでレモンで突き通すが、不思議とレモンの匂いを嗅ぐだけで、タコスが食べたくなるのである。
日に日にレモンをかける量が増えていき、タコス屋さんからもらったレモンでは足りなくなったので今では家に何個か常備している。
使う量としては、だいたい1タコスにつきレモン1/4カット。
日本の居酒屋で「唐揚げにレモンかけていい~?」と言ってかける《気持ち程度の量》では全然足りない。
タコス1個につき、毎回手がびっしゃびしゃになるくらいかける。
メキシコではタコスを食べた後、レモンを絞った汁で手拭き代わりにする人もいるらしい。それはさすがに洗えてないと思う。
数日前に節約のためにタコスは控える、と言ったにもかかわらず、一週間しか我慢できなかった。
多分来月も同じこと言っていると思う。