ずっと気になっている料理がある。
メキシコ料理屋で、タコスとは別に食べられているやつ。屋台ではほとんど見かけないが、メニューの多いレストランの前を通ると割とよくみんな食べている。
丸いお皿にタコスのようなものがラザニアのようにくったりと乗っていて、それをたっぷりのソースに浸してある。ナイフとフォークで食べるらしい。
あれはなんなんだ。
タコスが美味しすぎて、しばらくはタコス以外に興味を持てず、レストラン的なところに行ってもタコスのみを食べていた。
ただあまりにも見かけるし、なんだか美味しそうなので調べてみた。
エンチラーダ(西: enchilada)は、トウモロコシのトルティーヤを巻いてフィリング(具材)を詰め、唐辛子のソースをかけた料理。フィリングには肉、チーズ、豆、ジャガイモ、野菜、魚介やそれらの組み合わせ等、様々な具材が使われる。
メキシコ料理で出てくる名前だが、実はよくわかってなかった。あれがエンチラーダなのか。
もしかして割と有名なメキシコ料理なんだろうか。今更何言ってるんだ、と思っている人もいるかもしれない。
とりあえず一度どこかで食べてみたい、と思って数カ月。いつもタコスに全振りしてしまうので食べるタイミングを逃してしまっていた。なかなか弱まらないタコス愛。
そしてついにエンチラーダチャンスがやってきた。
珍しく朝兼昼ご飯を食べに外に出たところ、近所の人気タコス屋にエンチラーダがあるのを発見。どうやらエンチラーダは朝ごはん屋さん(もしくは朝メニュー)にあることが多いらしい。
裏通りにあるのにお客さんがいっぱい。旅行客もいるが、地元の家族連れがほとんどで期待できる。
サルサソースはロハ(赤)とヴェルデ(緑)から選べる。朝一の胃に赤のサルサソースはちょっと非道な気がして、緑のソースにした。どっちにしろサルサだけど。
ボリュームがすごい。トルティーヤが4つ乗っている。そしてこのトルティーヤの中には煮込んだ鶏肉が入っている。更にチーズ。
サルサソースはめちゃくちゃ辛いものはほとんどない。この緑のサルサソースもちょうどいい酸味でとても美味しい。
何よりとうもろこしのトルティーヤはやっぱり最高で、くたくたの生地としっとりとした鶏肉との相性がすごく良い。
めちゃくちゃ美味しくて感動したのも束の間、通常朝一はヨーグルトしか受け入れていない胃が興奮しているのがわかった。爆弾みたいなものを落としてすまない。
いくら辛くないとは言え、たっぷりチーズの攻撃力が高い。半分食べた時点で満腹中枢のサイレンが鳴り響いた。
なんとか食べ終えた。朝に食べる量じゃないと思ったけど、これがメキシコでは朝ごはんらしい。胃の強化が当面の課題になった。
他の店のエンチラーダも食べてみたいができれば昼過ぎがいい。
7時間たってもまだお腹いっぱい。