ここ最近部屋にいろんな虫が出る。
小さい蟻、蜘蛛、なぜか大きく羽根を広げて死んでいるG、などなど…
あまり虫は得意ではないので、一応殺虫剤やら駆除剤やらは完備している。
気温が高くなってきたので、おそらく今後も増えていくんだろうと思うと、とても憂鬱になる。こればっかりは克服しようがない。
月に一回、カティアさんというおばちゃんが来て徹底的に掃除をしてくれるので、ある程度床下とかに隠れている虫なんかはそこで洗い流されている。
ただ同時にドアを数時間全開放しているので、入れ替えで新たなお客さまがやってきていると思われる。
なんとなくここ数日は視界を最大に、少しの動きでも察知できるよう感覚をビンビンにしていたのだけど、早速その能力が発揮された。
ボーっとパソコンで動画を見ていたら、冷蔵庫の下に何か細長いものが入っていくのがうっすら見えたような。
動き的には蜘蛛でもないしG程の発色は感じず、最初に「…シッポ…?」と浮かんだので、ヤモリの類かしらと思った。
ヤモリであれば別に嫌いじゃないしまあいいけど、ただここ数日は窓も開けてないのにどうやって部屋にお入りになられたのでしょうか。
数分後、はっきりと視界の隅で動くのが見えたので顔を動かしてみると、明らかなヤモリが冷蔵庫の下からチョロチョロ、と出てきていた。
本当にいたのか、っていうこととまさかこんな大胆に出てくるとは思わず「ワー!」と声をあげてしまった。
ヤモリ側もまさか気づかれるとは思ってなかったらしく「ワー!」と飛び上がり、戻っていった。
ヤモリで良かった。ヤモリ以外だったら「ワー!」では済んでない。
どうしても写真に収めたくて、また出てきてくれることを期待して待つこと更に数分、チョロチョロ…と出てきた。
あまりにもかわいかったのでフンッ…と鼻息が出てしまい、またワー!と戻っていった。今回のチャレンジは45cmで失敗。
その後、30分間で4,5回、ヤモリのどこまでいけるかチャレンジが繰り返された。
最大2メートルくらいまで進むけど、人の気配に気づいてまた戻ってしまう。
出てきて何がしたいのかよくわからない。完全に遊んでいるような気がする。
ヤモリは害虫を食べてくれるらしいのでできればずっといてもらっても構わないのだけど、残念ながら明日は月に一度の掃除の日。このまま冷蔵庫下で暮らすのは難しいだろう。
どこまでいけるかチャレンジに参加したことで、ヤモリに情がわいてしまったのでとても悲しい気持ちになった。
ちょうどその頃、大家さんから夫によくわからない血みどろの画像が送られてきていた。
まあまあのグロ画像で、え?なにこれ?は?となっていたら、「カティアさんが手に怪我をしたらしく、明日の掃除は延期になります」と後から送られてきた。
カティアさんがウソではありません、という意味で大家さんに送るのはまだわかるけど、わざわざこちらに転送してくれる必要はない。この国にはそういう文化があるんだろうか。
とりあえずヤモリは命拾いした。
次の掃除の日が決まるまで一緒にチャレンジがんばろうね。