ここ数日、アパート内の各部屋に工事が入っているらしく、応援団の太鼓よりやや遅めのリズムで大きなトンカチ音が鳴り響いている。
自分は騒音や他人の生活音に対して全く敏感ではなく、うるさい、とかよりも何の音?という興味の方が上回る。そして騒音が行き過ぎるとなぜか笑ってしまう。喜怒哀楽を司る器官がちょっといかれているのかもしれない。
昔住んでいたマンションは、週末になると
コロコロコロコロ…… スコンッ
というあまり日常では聞き覚えのない音がしていた。
どうやら上の階の住人が部屋でゴルフのパター練習をしているようだった。
スコンッ が聞こえればこちらもよっしゃ!となるものの、コロコロコロコロ…だけが延々と続く時もあり、今スランプなんだなあと心配になったりもしていた。
友人にこの話をすると、信じられないそんなの聞こえてきたら気が気じゃない、と言われた。
かすかに漏れ聞こえてくる隣人の話し声に悩んでいる人にする話ではなかったかもしれない。
多分生活音に敏感な方はもうこういう文章を見るだけで発狂してしまうんだろうけど、本当に苛立ちという感情になったことはない。
おかげで騒音、爆音やりたい放題のこの国でも何のストレスも感じずに暮らしている。ラッキー。
ちなみにアパート内の工事に加え、アパート前の空き地の工事も同時進行中。
トンカチ音にドリル音に金属音、騒音オーケストラ。しかも余裕で夜中までやっている。
大家さんからは特に工事についてのお知らせなどはなく突然始まった。
ただ部屋からずっと外を見張っている自分は、数日前に何かしらの資材が運び込まれている一部始終を見ていたので少し予感はしていた。
このいきなりやってきたトラックには、たくさんのセメントと壁材?みたいなものが積まれていて、これは明らかに工事が始まるなあ、とわかる。
遠くから小さな犬2匹が「嚙み殺してやんよ!!」という勢いで吠えまくっているが、気にせず荷物を降ろす業者の人たち。
このまま工事業者が毎日来たら、犬たちも吠え疲れてしまうだろう。何事もペース配分が大事だぞ。
数日たった今、犬たちは出入りする業者にも騒音にも全く反応しなくなった。
更には常に何かにびくびくしていた庭のイグアナさえも、平気な感じで日向ぼっこしている。
アパートの全住人、全動物が騒音耐性を試されている。来週くらいにはうるさいという感情すら忘れているかもしれない。
なかなかハードなイベントを用意してくれるファンキーな大家さん。
騒音への耐性を鍛えたい方、おいでよメキシコ!